PROJECT
ゲストハウスTHE STAY SAPPORO
不動産・建築を再解釈して生まれた、新しい滞在のカタチ。場づくりが、文化とコミュニティをつくる。
2015年。インバウンドが加速度的に増えていた北海道に、自社で企画・運営まで手掛ける国内最大級(160人収容)のゲストハウスをオープンしました。発想のポイントは「ゲストハウスが160人のまちだったら?」。宿泊施設という枠組みの中から、国を超えた相互理解を醸成し、コミュニティを世界にまで広げたいという私たちの「ありたい未来」の実現に向けたプロジェクトです。宿泊サービスの企画・運営メソッドは、ここから生まれました。
10階建てオフィスビルを1棟まるごとリノベーション&コンバージョンし、資材コストや工事にかかる時間を削減。札幌中心街・繁華街から徒歩圏内に、ホテルとも違う、従来のゲストハウスとも異なる形を模索しました。
ハード面では、共有キッチン・ラウンジをレセプションフロアと最上階に設置。あえてカフェバーはつくらず、個室に家電製品を置かないことで共有スペースの活用を促し、交流が自然と発生する動線を作りました。オフィスビルだったことを感じさせないスタイリッシュさ、セキュリティも対策もしっかりと。
ソフト面では、日本を含め世界の家庭料理などをつまみがら気軽におしゃべりを楽しむ「Chit Chat Stay」、町の飲食店をハシゴする「BAR HOPPING」など宿泊者でなくても自由に参加できるイベントを企画。国や文化の違いを超えた交流が生まれ、口コミ、リピーター増にもつながっています。
北海道上士幌町まちづくりコンサルティング
地域資源を生かした、まちに訪れる必然の仕掛け。
町の認知度アップ、人口増、財源の向上も。
少子高齢化や人口流出のなどが課題となっていた北海道・上士幌町で、2021年に向けた「人口5,000人のまちづくり」を実現するためのまちづくりプロジェクト。「人々がわざわざ町を訪れる“必然”をつくることで、移住先の選択肢の一つとして認知してもらえるのでは?」という着眼点のもと、旅行代理店事業、商品開発・物品販売事業、不動産管理事業、移住促進プロモーション事業をトータル的にプロデュースしました。PhilDoのまちづくりの出発地点でもある取り組みです。
地域資源の掘り起こし(人材、産業、自然環境など)からスタート。地域にどんな魅力が眠っていて、どんな可能性があるのかをリアルに気づいてもらうため、上士幌町にある一次産業や野生動物の魅力を再発見する地産地消メニュー開発、廃校を利活用したアクティビティ(林間学校、モニターツアー)、上士幌高校と札幌東商業高校の学生たちのコラボによるお土産品開発などに取り組みました。
プロジェクトを実働させる地元組織として「NPO上士幌コンシェルジュ」を設立。お試し暮らし用モデル住宅の設置や情報発信を担う「移住.com」の公開など、地域外へのPRを強化しました。
システムがスタートしたばかりの「ふるさと納税」にいち早く着目。返礼品の調達・開発からシステム運用管理までスキームづくりを行いました。都市圏にアンテナショップをオープンするなど、町の認知度を直接的に高める取り組みも。
みなかみ温泉 あらたし
既存のリゾートホテルの概念を超えて。コンセプトから運営設計までトータルプロデュース。
従来のターゲット層や滞在形式にとらわれない運営の在り方をはじめ、 プランニング・設計・家具デザインや備品の選定に至るまでをトータルプロデュースすることが求められたプロジェクト。国内でも有数の温泉街に、「自然のように完結しない居場所」という、少し不思議でオリジナリティあふれるリゾートホテルを作りました。
「より多くの年齢層が足を運びやすい価格帯」と「リゾートホテル」という、一見相反する課題解決がプロジェクトのメインテーマに。みなかみ町の地域資源に着目し、material(素材)×stay(滞在)×culture(文化)と新しさをかけわせた「3つのあらたし(あたらしさ)」をコンセプトに設定しました。
ハード面では、温泉街のアドバンテージである自然環境を最大限に生かした建築デザイン・インテリアを意識。無垢木、土を混ぜた版築壁、紙繊維を感じる和紙などを取り入れ、客室フロアは全室から利根川が眺められる設計に。自然物の質感の変化や佇まいを楽しむことができるのが特徴です。
ソフト面では、スタッフの人数とサービス内容のバランスを考慮したオペレーション設計を。最新のチェックイン・アウトシステムの導入をはじめ、環境負荷軽減への配慮、エンドユーザーとって本当に必要なサービスを提供する仕組みづくりを行いました。